貝の隅っこ

話を聞く副業をしています。 初回無料、2回目以降3000円~。詳細は最初の記事にて。

乳がん忘備録【6】

緊張しつつ施術当日を迎え、無事終わった。

胸に刺して、バンッ、という音と同時に、内部に衝撃がきた。刺すときも、想像していたよりも、そんなに痛くなかったし、衝撃は一瞬だった。

検査自体は恐ろしかったけど、少しでもリラックスできるように、枕を足の下に置いてくれたり、先生を始め、看護師さんが優しく励ましてくれたりと、終始丁寧に扱ってもらえたので、とても快適だった。

終わったあとは、小さい個室に案内されて、部屋の真ん中にある高そうなリクライニングチェアに案内され、1時間半ほど身体を休めた。胸は、止血のために、ガーゼで強く押さえてから、包帯をさらしのようにぎゅぅっと巻かれて、少しだけ苦しかった。でも、終わったことの解放感に比べたら、なんてことはなかった。最初は大人しく、目を閉じてのんびり解放感に浸っていたけど、次第に飽きてきて、携帯を取り出してネットサーフィンをして過ごした。

 

 

結果は、11月になるという話だった。でも、もし、早くわかった場合は、日程を早めるか、と聞かれ、こんなもやもやは早いほうがいいに決まっていると思ったので、そうしてくれるように頼んだ。

お会計を待っていると、待合室の隅っこに、ピンクリボンの活動の募金箱が置いてあった。ピンクリボンという単語も、知ってはいたけど、私とは、別世界の、関係ない話だった。検査って大事だよね、と、どこまでも他人事の話だった。なんとなく、気づいたら、紙幣を1枚入れていた。だから、悪い結果になりませんように、という気持ちだったのかなと思った。

外に出ると、あたりは真っ暗だった。今日は遅くなるのがわかっていたので、会社は早退した。地下鉄に降りていって、人の中に紛れていくと、さっきまで検査していたのが、嘘みたいになった。それにしても何度も来ることになるとは思っていなかったので、会社の近くのクリニックにしてよかったなと、心底思った。