貝の隅っこ

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乳がん忘備録【2】

「紹介状を書くので、すぐに再検査をする病院を決めて、

折り返し電話がほしい」

 

悠長に構えていた自分に、電話先のクリニックの女性はそう言った。私、今日、×時までいますが、何時頃に連絡くれますか?と続けたので、面食らった。そんなに急がなきゃいけないことだとは、思っていなかった。

 

だって石灰化しているだけで、しかもそれは1年も前から「知っていた」のだから、今になってそんな大変なことになるわけがなかった。だって、だとしたら、1年間、なにを放っておいたんだって話になると思った。でも、相手の女性は、今の時期はどこも混んでいて、早く決めないとどんどん埋まってしまうから早く予約を入れてくださいと言い、相手側の勢いに押される形で、慌てて昼休み中に再検査先を探した。

 

ひとまずスマホで、「乳腺」「検査」と検索すると、たくさんの再検査先の候補が出てきて、一瞬途方に暮れた。

クリニック?病院?何がどう違うのか、わからなかった。どこにしたらいいかなど、まったく見当もつかなかったので、しばらくスマホをスクロールしていたけど、こうしている間にも、昼休みの時間はどんどんなくなってしまうと思った。だから、悩んでも仕方ないと思って、「会社から近い」という、ただそれだけの理由で、表参道にあるクリニックを選び、すぐに電話をかけた。

 

電話を出た女性に、再検査をするように言われたので、検査を受けたいと告げると、今の時期は混んでいるので来月、ひょっとしたら、再来月になるかもと言われた。健康診断をしたところでも同じようなことを言っていたので、まあ仕方ないなと思った。でも、あ、ちょっと待ってください、と言われ、しばらく待つと、来週キャンセルが出たので、ここなら空いていると言われた。なんと4日後だった。ラッキー、という気持ちとともに、そこでお願いしますと伝えた。

 

電話を切ってもう一度、健康診断をしたクリニックに電話をかけると、さっき対応してくれた人と同じ人が出てくれた。再検査先のクリニック名と、受診日を告げると、少し困った声になった。受診日が早すぎて、しかも土日を挟んでいるので、書類が郵送だと間に合わないかもしれないと伝えてきた。電話先で、今日準備して、すぐ出して……と、段取りをしたあと、申し訳なさそうな声になり、取りに来てもらうことは可能かと聞かれた。間に合うかどうかドキドキしているよりも、そのほうが確実だと思ったので、受診日の朝に取りに行くことになった。