乳がん忘備録【38】
手術後の初めての外来のために、病院へ行った。
先生は相変わらず爽やかで、調子はどうですか、と聞かれたので、実は手術後からずっと、右手が痺れているのが気になったので、そのことを言った。
先生は頭を傾げて、時間が経てば治るだろうと言ってくれたけれど、利き手が痺れているというのは、やっぱり少し、不安なもので、ずっとこのままだったらどうしようと思った。
それ以外はとくに、何か話が進展するわけでもなく、リンパ節をさらにじっくり調べても、転移はなかったということなので、よかったと思った。
次の外来は年明けで、そのときに病理結果が出るから、そうしたら今後の治療方針を決めましょうと言われた。
治療方針、には色々あって、ホルモンだとか、放射線だとか、よく知らないけれど、中には妊娠とか、そういう将来に関わるものもあるようだったので、まあ放射線やれば大丈夫なんじゃないかな、という空気感に、そうだといいなと思った。
相変わらず、あまり病気に関する情報は、仕入れていなかったので、詳しいことは、よく知らなかった。
外来が終わって、また上長に連絡をして、正直時間を持て余し始めたので、年内に出勤しようかとても迷ったけれど、出勤しても3日くらいで仕事納めになるので、やっぱり当初の予定どおり、年明けから出勤する連絡をした。
世の中はクリスマスだったり、正月だったりで、とても慌ただしかったけれど、色々なことが前倒しにできたし、身体を労わって、しんどいことはやらなかったし、やりたいこともできていた。
唯一、なんだか、鼠径部というか、身体に違和感があって、実は、全然違うところに転移していたらどうしよう、という気持ちになって、そういえば婦人科検診をしたいと思っていたことを思い出したので、気になることは全部2018年に置いていこうと思って、年末でも診察してくれる病院を探して、ぎりぎり年内で滑り込んだ。