貝の隅っこ

話を聞く副業をしています。 初回無料、2回目以降3000円~。詳細は最初の記事にて。

乳がん忘備録【35】

転移の有無や、術後の経過によって、入院期間は変わるという話は聞いていて、私は一番なんともなかった場合のコースになったので、入院・手術・退院まで5日間というちょっと慌ただしい感じになった。

でも、点滴も尿管も外してもらえて、普通にご飯も食べていたし、胸と右手に違和感がある以外は、もうすっかりいつもどおりになっていた。

 

入院4日目の朝は、なんだか気分がよくて、ちょっとフロアを探検しに行こうかなと廊下に出た。

そうしたら、白衣を着た集団が、ゾロゾロと列をなして歩いてくるのが見えて、思わず足を止めた。ドラマで見たことあるやつだ、と思った。

どう考えても、こちらに向かってくるので、慌てて部屋に引っ込んでベッドに入ったら、白衣の集団が部屋に入ってきて、たぶんその中で一番偉いと思われる先頭にいた先生が、どうですか?と聞いてきたので、お陰さまで元気ですと答えた。

よく見ると、その先生たちの中に主治医の先生もいて、ちょっとだけほっとした。

じゃあ術部を確認させてくださいね、と言われて、全員で傷跡を確認していたので、なんか面白いなと思った。

 

お昼過ぎになって、昨日、自主リハビリを明日もやろうと、知り合いになった女性2人と話していたので、前日と同じ時間、同じ場所で合流してリハビリをした。

2人とも、昨日より元気になっていて、よかったと思った。

 

またしばらくお喋りしたあと解散になって、部屋への帰り道2人で喋って、自分がパニック障害の気がある話をすると、とても同調してくれて、談話室で話さない?と誘ってくれた。

自分自身も大変なときに、親身に話を聞いてくれたり、話してくれたりできる人は、すごいと思った。

 

夜、夜中に目が覚めて、トイレに行くと、消灯後のフロアはとても静かで、少しだけ怖かった。めったにない機会だと思って、こっそり病室を抜け出して電話OKエリアのほうに行ってみた。

窓を見ると、ガラスが曇っていたので、そういえば病院の中は、パジャマ姿だけでも、どこにいても快適な気温に保たれているなと思った。

外は暗くて、でも、最近移転やら何やらで騒がしくなっていた跡地が上から丸見えで、中はこんなふうになっているんだ、と思った。