貝の隅っこ

話を聞く副業をしています。 初回無料、2回目以降3000円~。詳細は最初の記事にて。

乳がん忘備録【15】

最初に告知を受けたときみたいに、情報が一度にたくさん入ってきて、でも聞かなきゃいけないことがたくさんある気がして、先生に何か聞こうとしたけど、先生は「ん~もう時間がね~~」と笑顔で言った。1人の患者に、こんなに長く時間をかけるわけにはいかないのはわかっていても、藁にも縋りたい気持ちの私には、見捨てられたような気すらして、不安でいっぱいになった。そんな私に、すかさず看護師さんがついてきてくれて、あとは廊下でつきっきりで、私と母の話を聞いてくれた。あとでネットの口コミで見かけたけど、この病院はとにかく患者さんがひっきりなしに来るから、先生がカバーしきれない部分は看護師さんがフォローをしてくれるようだった。看護師さんは私の気が済むまで、一切嫌な顔を見せずにずっと話を聞いてくれた。

 

そして、その日からは、色々ジェットコースターだった毎日から少し落ち着いて、少しずつ少しずつ日常に戻っていって、仕事と検査と、日々が粛々と過ぎていった。

ぽつぽつと、いろんなことがあった気がするけど、それがいつで、どの順番だったかは覚えていない。

そのころ、申し込みをしていたidecoの口座開設のお知らせが家に届いた。会社でステータス変更を経たので、書類を書き直したりして、やっとのことで開けた口座だったのに、60歳までお金を下せないという縛りに複雑な気持ちになって、私はこのお金を、ちゃんと使えるんだろうかと、ふと思った。

あと、病院の検査とは別に、歯医者に行くようにも言われたので、行きつけの歯医者に行った。先生に、どうしたの、と聞かれたので、乳がんの手術があることを伝えたら、先生は驚いて、でも頑張ってねと言った。