貝の隅っこ

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乳がん忘備録【17】

そういえばコンサートには結局行った。飛行機を使った一泊二日の遠征だった。告知されたときは、とても行く気にはなれなくて、キャンセルするつもりだったけれど、先生からそういうのは行ったほうがいいと言われたのと、少しずつ日常が戻っていて、なんとかメンタル的に行けるレベルまで持ち直していたので、姉と、姉の会社の人と、3人で予定どおり行った。

ここ最近の怒涛のイベント続きに、感情の蛇口は壊れていたので、コンサートのオープニングのド頭から泣いて、泣いて、泣いて、ことあるごとに涙が止まらなかったけれど、アニバーサリーなコンサートだったから、周りも似たような感じで、たぶん浮いていなかった。

遠征中は、美味しいものも食べられたし、ずっと楽しい気分だった。でも、帰りの飛行機で、事前に座席の予約をし忘れて、姉と離れて座ることになった。私は数年前にコンサート観劇中に息が苦しくなったときから、だいぶマシにはなったものの、パニック障害の気があって、飛行機みたいな閉鎖空間が少し苦手だった。これのせいでコンサートは毎回ドキドキだった。だから不安になって、飛行機で少し離れた姉に、じゃああとでね、というと、姉の隣にいた女性が「席、変わりましょうか?」と声をかけてきてくれた。とても驚いて、いいんですか?と聞くと、女性は笑顔で大丈夫ですよと言ってくれた。座席の事前予約を忘れたときは、不安だったけど、その女性が天使か女神に思えて、親切にしてもらえて、心の底から感謝した。その人にとっては、なんてことのない行為だったのかもしれないけれど、間違いなく、ここ最近の不安続きの私の心を救ってくれて、大げさではなく、恩人だと思った。降りるときに、もう一度感謝を伝えて、こういうときに何気なく人助けできる人は本当にすごいと思った。