貝の隅っこ

話を聞く副業をしています。 初回無料、2回目以降3000円~。詳細は最初の記事にて。

乳がん忘備録【19】

手術のだいたいの時期がわかったので、職場の後輩の子たちにガンのことを話した。年内に長めの休みをもらうことは伝えていて、でも、先輩からこんなことを聞かされたら、迷惑だろうなとちょっと思った。2人は少し驚いた顔をしたあとすぐに気を取り直して、仕事のことは任せてください、と言った。今まで仕事で、自分が先輩なんだから、自分がなんとかしなきゃとか、必要以上に思い込んでいたけれど、それは私の傲慢で、もうとっくにそんな必要はなかったんだなと思った。

それから職場の関係各所に、メールを一斉通知して、年内のスケジュールに余裕をもたせてくれるよう連絡をした。ときどき脱出ゲームとかで一緒に遊んだりしてくれる人たちには、直接挨拶がてら、お願いをしに行った。ちょっと長めの休みをもらうことになって、と伝えると、みんないい人たちばかりなので、快く承諾してくれた。

この頃には、手術の前に美味しいものをたくさん食べておこうとか、色々前向きになっていて、お気に入りの薬膳鍋やさんに1人で行ったり、いつも入りたいと思っていたけれど行列ができて入れなかったお店に行ったりもした。私が手術をすることを知っている友達が美味しい焼肉屋さんに誘ってくれたので、普段だったら手を出さない高いお肉も、美味しく食べた。飲み会にも誘われたときも、ちょっとの時間だけとか、参加したりした。もうすぐ自分が、ガンの手術をすることが、嘘みたいなくらい、普通に過ごした。